富士山噴火

お久しぶりです。

小学校3年5組の頃のお話。

3年5組に麗子ちゃんという子がいた。
このころあたしは、この麗子ちゃんと令子ちゃんという Wれいこ と仲が良かった。
(どうでもいいが、あたしの母は礼子)

麗子ちゃんは自慢が好きな子で、自慢のネタは

1、お母さんが若くて美人
2、家が小金持ち

残念なことに麗子ちゃん自身は、どうやらお父さん似のようだった・・・

そんな麗子ちゃんのお家に令子ちゃんと遊びに行くことになった。
麗子ちゃんの家は新しく建てたばかりで、
当時の田舎では珍しく西洋風な造りで、屋根裏部屋まであった。

当然、美人のお母さんが出してくれたおやつもケーキとオレンジジュース。
でんろく豆か、カリカリ梅とカルピス(もしくは牛乳)育ちのあたしは
軽くカルチャーショックをうけた。
今になって考えると、なぜ酒のつまみのようなおやつを
食べさせられていたのだろう??
食べ合わせも最悪だし・・・

おやつを食べていると、麗子ちゃんは
『知ってる?』
麗子ちゃんは自慢話を始めるときに必ずこの切り出しをする。
『近いうちに富士山が大噴火するんだよっ』

令子『うそだぁっ』
量子『・・・・・・!!』(やばいよ、知らなかったよっ)

麗子『本当だよ、だってうちのお父さんが言ってたもんっ
   そしたら、植田の町も溶岩が流れてきてなくなっちゃうんだって』

想像力豊かなあたしは、溶岩に飲み込まれるとこを想像し、
あまりの恐ろしさにチビりそうになった。
どーしようっ!!

そんなチビりをよそに、麗子ちゃんは続けた
『でもね、うちの家族は助かるんだっ』
な、何で!? 早く教えてその秘策!!
『富士山が噴火したら、家族全員で飛行機でハワイに逃げるんだって、
うちのお父さんが言ってた』
な、なぁるほど、その手があったか!
ありがとう麗子ちゃん!!(感謝)

んっ!?ちょっと待て、いったい飛行機代っていくらかかるのだろう?
そうなんです、あたしの幼少期は昭和、まだ海外旅行は庶民のものでは
なかった時代・・・
¥¥¥超高額¥¥¥
なんと麗子は富士山の噴火という一大スクープをネタに、
自分の家の金持ち具合を自慢していたとはっ(イラッ)

令子ちゃんの家も地元で大人気のケーキ屋さんでまずますのお金持ち、
っということは、あたしだけ溶岩の下敷きになって死んでしまう(泣)


いてもたってもいられなくなり、麗子ちゃんの家を早々にさよならして、
走って家に帰った。

『おかぁさぁんっ!!』
台所で夕飯の支度に追われている母礼子に詰め寄った。
つうか、また魚・・・・

『ねぇお母さん、富士山が噴火するよっ!!』
『あぁ、そうなの』
もーっ、なんでのん気なのっ そんなんじゃ逃げ遅れちゃうよっ!!
『うちも飛行機でハワイに逃げられるよねっ?』
相変わらず、突飛な発言をする娘には慣れっこの礼子は
『あははっ 無理無理っ6人でハワイに行けるお金なんかないわよぉ』

や、やっぱり・・・・・・(グスッ)
内心そうだろうと思っていたが、現実を目の当たりにするのはつらい・・
死んじゃうよぉぉぉぉぉぉっ!!

それでも、畳の裏あたりに隠し財産的なものが
あるんじゃないかという期待を抑えられず、
しつこくハワイを懇願した。

最初は娘の他愛も無い話を軽く流していた礼子も、あまりのしつこさに
だんだんとイライラしたのか、とうとう・・・

るさいっ、ない物はないのっ!!』
びくっ!!やばい本気で怒らせてしまった・・・

『だいたいね、飛行場はここより富士山に近いのっ、
もし、富士山が噴火したらここより先に溶岩に飲み込まれるのっ
わざわざ溶岩に飛び込みに行くような馬鹿なまねしたいなら、
麗子ちゃんの家族に着いていきなさいっ!?』

おっしゃるとおりです・・・
(後半は麗子ちゃんち批判が若干入ってますが・・)
目が覚めました。

この話をしたら自慢しぃの麗子ちゃんがどんな顔するかと
思うと、夕飯の魚の美味いことっ♪

あたくしごとで、すいません。


←あれから、20年近く経ちましたが、今だ噴火はしてません。

2 件のコメント:

  1. 自慢話は子供が聞いてても、やなものですね~

    僕も子供のころは、走って逃げればいいと思ってた・・・

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  2. 溶岩から走って逃げんの?(笑)
    さすが!!

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